こんにちは。アクシス代表の末永です。社長ブログです。
今日から4月ですね。世の中の多くの会社は3月決算で4月から新しい期に入り、新卒も入社して来て心機一転的な月である事が多いと思います。
弊社アクシスは、7月決算のため第3Qの2ヶ月目が終了したという形で中途半端な月ではあるのですが、弊社も4月1日から新卒二期生として2名を受け入れる事になります。
ありがたい事に、昨年18新卒と同じく、19卒の2名ともインターン生が有志でジョインを決めてくれたので、1名は既に2年弱、もう1名も約1年のインターン期間を経ての入社であるため、既に長らく仕事を一緒にしているのですが、せっかくの人生に一度しかない新卒入社という事で新卒の2人にメッセージを記載しておきたいと思います。
※昨年18卒向けに記載した記事は以下になります。
Connecting The Dots・点と点をつなげ
今更、僕が解説するまでもなく有名な言葉ですが、アップルコンピューターの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏が、スタンフォード大学の2005年の卒業式で行ったスピーチ内の言葉です。
具体的には以下のような内容です。
先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。何かを信じ続けることだ。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。この手法が私を裏切ったことは一度もなく、そして私の人生に大きな違いをもたらした。
引用:2005年 スタンフォード大学卒業式スピーチ
転職支援の仕事をしていると、良くも悪くも世の中の様々な業界・職種について精通してきますし、俯瞰して見えてしまうが故に、悪く言えば擦れてしたたかになってしまう事も多いと感じます。
合理的な視点に偏った選択肢を比較検討してしまう事に必要以上に時間やエネルギーを取られて身動きがとれなくなるなんて事が往々にしてあります。
転職者にもよくお伝えしている事ですが、一定の足切りラインを上回ったら、選択そのものやその優劣が自分を幸せにしてくれるのではなく、選択後、つまり自分の選択を自分で正解にするという意思決定後のアクションこそが自分を幸せにしてくれるのです。
目の前の短期的視点で点を判断するのではなく、選択後の一つひとつの行動や努力をしっかりとやり切り、そこでの経験・体験を自分の人生の中で紐づけ、意味付けがしていければ、大成功できるかは別としても少なくとも幸せな人生にできるのではないか。
自分の力で人生を幸せにできるという自信が自分を幸せな気持ちにし続けてくれるのではないかなって思っています。
僕は中小・ベンチャー企業経営者のくせに、自社の採用時に絶対に相手を口説かないと決めています。
新卒であっても中途であってもうちの会社に入社する事が、一般論的な視点や、誰にとっても合理的な選択肢であるとは全く考えていないためです。
※もちろん、今後はより多くの人達にとって合理的な選択肢になり得る会社への成長や努力はしていきたいと考えています。
ただ、ある特定の自分の人生への高い期待値を持った勇気ある人にとっては、価値ある仕事、環境、チャンスがあるとは自負していますし、僕もそれらを最大化するために、できる限りの努力をし続けると覚悟はしています。
新卒の2人はそんなややこしい僕のスタンスを前にしても、迷いながらも、自らの頭で考え、最後は自らの意思でチャレンジ、決断をされました。
素晴らしい勇気とリスペクトしています。
だから、アクシスに入社するという選択や決断よりも、入社後のアクションやそれらの体験一つひとつをしっかりと紐づけて自分の人生をより輝かしいものにする事を意識していってもらいたいなと思っています。
ベンチャーこその醍醐味を忘れずに
昨年の18卒への祝辞でも書いたんですが、僕自身、会社員時代、新卒リクルートとサイバーエージェントへ転職という選択をしてきたように、実際めちゃめちゃビビリでベンチャーに飛び込めなかった人なのですが(当時の大手への志望理由なんてのは大体が自らのビビリに対するレトリック&言い訳ですw)、せっかくこの規模・フェイズの会社を選択した2人には、ベンチャーこその醍醐味を忘れずに使い倒してほしいと思っています。
大手企業2社で会社員経験をしてきた自分の実体験から、今のうちのフェイズや環境、ベンチャーでしか得にくい、より早く経験できる事ってなんだろうと考えて下記にまとめてみました。
- 社長との距離が近い
- 自分自身の言動がすべて会社のカルチャーになる
- 新規事業を創り続けないと未来がない環境
- 自分が一緒に働きたい人を採用してその人を育成する事にコミットメントできる
- サバイバル能力(柔軟性)を高められる
- マネジメントレイヤーや事業責任者が少ない
- 大手や他社ができない事にもチャレンジできる
以下で個別に解説していきます。
社長との距離が近い
よく言う話ですが、僕もリクルート時代、営業としてトップアプローチにこだわっており、お客さんとして多くの経営者と仕事をしましたし、仲の良い経営者もいました。
また、経営者の自伝などの書籍や経営本を読み漁りました。
それでも起業して実際にやってみて学んだ事がほとんどであり、その当時経営者の気持ちなんて全然理解できていなかったな〜というのが本音です。
大量の経営本を読んでいても、なぜ経営にいて経理財務等の守りが大事なのか、ミッションビジョンが大事なのか、人や組織の問題で悩むのか、言葉では知っていても、全く腹落ちはできていませんでした。
社長との距離が近いのはこれらを擬似体験できるという大きなメリットと思います。
ですので、社内のシビアな情報や数値も割と公開するようにしていますし、自分がそれぞれの事象に対してどう感じたり葛藤したり悩んだり意思決定したかも小まめに社内で共有するようにしています。
また、自分で言うのもなんですが、起業して社長をやっていると、サバイバル能力含めて、様々なスキルが上がります。
ですので、下手な大手企業の上司やマネージャーよりは戦闘力が高くなれている自負はあるので、社長経験者が上司や近い距離にいて直接仕事のノウハウを盗めるというのも一つのメリットにはなるのではないでしょうか。
自分自身の言動がすべて会社のカルチャーになる
小さな会社や組織においては、一人ひとりの影響力がやばいです。
新卒1人の言動そのものがそのままその会社のカルチャーになり得ます。
影響力を持つというのは諸刃の剣ですが、そういった自負心や意識を持てると早く人は大人になり、成長するのではないかと思っています。
自分の発言や行動ひとつひとつに責任を持つようになるためです。
新規事業を創り続けないと未来がない環境
これはベンチャーに限らずかもしれませんが、これからの世の中は単一事業やプロダクトだけで成長し続けられる会社は少ないと思っています。
昭和の時代の産業や大企業は、割と単一事業やプロダクトを全国展開、営業所開設、営業社員採用等、チェーンストアのように事業拡大していけるだけの市場の規模や白地、伸びしろがあったと感じています。
しかし、現在の日本の多くの市場は成熟しており、過剰供給、過当競争で、既存事業者のサービスの質は最高過ぎるし、コストも最小限で安く高品質なサービスや商品を購入できています。
その中で、単純な量的な成長を志向しても先行プレイヤーに割って入っていく事はできないし、競争に勝てないと感じています。
また、これは主観でしかありませんが、そのような量的な成長はセクシーではないとも感じます。
これからは付加価値高いサービスや事業を、単一ではなく、複数、市場や顧客に提供していけなければ、持続的な成長は見込めないのではないでしょうか。
一方で大手企業は過去の成功体験や巨大組織のための販管費の重たさから、大きな市場規模や事業規模でないと参入は許さないと、自ら高いハードルを設けてしまい新規事業に躊躇してしまうケースがほとんどです。
そういう意味で、小さな組織で新規事業やサービスを立ち上げざるを得ない市場環境の中で、社内にプレイヤーも少なければ、自ずとそうした機会は多くなります。
もちろん新規事業立ち上げはどこであっても難しく、しんどく、実際やりたがる人も現実は少ないというのもありますが・・汗
自分が一緒に働きたい人を採用してその人を育成する事にコミットメントできる
ベンチャーの醍醐味は、採用に直接関われ、自分が一緒に働きたい人を採用できるという事です。
そして、自分が採用した人を採用後に育成、マネジメント、戦力化する責任も同時にセットになります。
これらの経験は大手企業では難しく、4年半会社員を経験した僕自身も当時は経験した事がないのはもちろん、意識した事さえありませんでした。
しかし、最近色々と経験をする中で、事業を創る、組織を創るという事の基礎はここにあるのだと感じています。
自ら人を採用して、育成し、マネジメントし、戦力化するという経験はビジネスを志向する人にとって非常に価値ある経験になると思っています。
サバイバル能力(柔軟性)を高められる
大手企業はある意味1つの職能を5年〜10年を反復・継続する事が多く、専門的な職能を高める環境としては素晴らしいものがあると思います。
しかし、時代が大きく、スピーディーに変化していく昨今においては、産業や事業、会社などのビジネス上の変動性はもちろん、個人としての生き方、働き方、価値観、ライフスタイルも同時に激しく変化していきます。
そうした時代においては、専門的な職能を高めるよりも、サバイバル力を高めておいた方が合理的だと僕は感じています。
サバイバル力というと大げさな表現ですが、ここで伝えたい意図としては柔軟性といった意味合いです。
1つの事だけできるのではなく、変化に機敏に瞬時に行動や体制を変えていくというスタンスやマインドセットはもちろん、バリューチェーンでいう川上〜川下までを一人で兼任したり、少なくとも商流すべてを理解してマージできる力、兼業を基本として様々な役割を一人でこなす事ができる等が、変化の激しい時代にはとても有用になってくるのではないかと思うのです。
マネジメントレイヤーや事業責任者が少ない
これは多くのベンチャー・中小企業において、課題であり、同時にチャンスでもあるという事です。
単純にチームをマネジメントしたり、事業の責任を持てるプレイヤーが枯渇しているわけです。
おのずと、その席を得られる確率は高まります。
マネジメントを昇進・昇格的な役職という概念で捉えて、自分には分不相応だと遠慮する人は多いですが、僕は役職ではなく、あくまで役割の1つだと思っていますし、体系化できるスキルであり、汎用性の高い専門経験だと感じています。
マネジメント=人を動かして成果をあげるという力はどんなビジネスにも通用する汎用的なスキルであると思います。
大手や他社ができない事にもチャレンジできる
既存の固定費が重たい大企業にはできない事、ある意味のニッチ(だけど顧客には価値がある事)を攻められる事こそがベンチャーの醍醐味であり、役割だと思っています。
ある意味、一定のモラルを遵守した範囲内において、既存の市場やサービスをハックする事ができるのです。
こうしたチャンスがある前提で、会社に指示・依頼されたからではなく、自らの意識として大手ではできないチャレンジの試行回数をしっかりと担保していってもらいたいなと思っています。
そうした試行を積み重ねる事は、同時に、自らが、業界・市場・顧客という高い視点・視座を体得する事にも繋がってくると思っています。
みんなのポテンシャルを最大化・具現化させたい
手前味噌ながら、最近本当に若手メンバーのポテンシャルがヤバイ!と思っています。
今から14年前、僕は21歳・大学在学中にもインターネット・SNSで起業していましたが、その後、大手企業2社に就職をしてなんだかんだたくさんの遠回りをしてきました。
その選択そのものには後悔はしていませんが、ふと、うちのメンバーを見ていて「ポテンシャルだらけっ!!」と感動する事が多くあります。
うちの会社では、23歳くらいのメンバーに30代のメンバーのマネジメントを任せたり、新規事業のチームの責任者を任せたりしています。
もちろん、経験値が足りないがためにケアレスミスや失敗もありますし、若さゆえの感情面での起伏や人格面での未熟さは一定あります。
それでも、23歳の時の自分を思い返して比較してみた時に、彼ら彼女らがやっている仕事の内容や責任、悩みの内容などを見ていて、そのポテンシャルの大きさに驚いてしまうのです。
彼ら彼女らの3年後、5年後、10年後が楽しみ過ぎて仕方がない。
僕にできる事は、彼ら彼女らのポテンシャルを最大化させ、また具現化させていく事ではないかと最近強く思っています。
それでも、実際に僕ができる事はそうした機会と期待を積み重ねる事だけです。
それらを常に自らの機会として捉えて、期待を大きく上回っていってもらえたら。
これほど嬉しい事はありません。
アクシス新卒2期生の2人、そして、多くの新社会人の皆様、ご入社おめでとうございます。
これからの日本と時代を創っていく主役として、初志を忘れずに輝かしい社会人人生を楽しんでいってください。